解禁?

5月27日(日)に、上智大学の同窓会組織に当たる「ソフィア会」が開催する「オール・ソフィアンズ・デー」に、
上智大学紀尾井文学会OB会として参加することになりました。
…とはいっても、当日のフリーマーケットで会誌『Polyphony』を売るだけなのですが。

きっかけは、6日に行われた「文学フリマ」に関係者の方がブースのほうまでいらして下さり、
お声かけを頂いたことでした。

いちおう学部から大学院の修士課程まで上智にいたのですが、博士から別の大学院に移った後いろいろあったため、
ここ数年は自主的に(笑)出禁状態になっていました。
ですから上智に行くのは、数年ぶりになるかと思います。
ひとまず、きっかけを下さった「ソフィア会」の方に感謝!

ということで、告知する意味あんの!?というくらい参加者の限られているイベントですが、
上智関係者の方、もし本ブログをご覧になっておりましたらよろしくお願いいたします。
それから、OB会のメンバーでまだ買っていない者は…買うべし!

御礼

文学フリマ、終了しました。

紀尾井文学会OB会のブースないらして下さった皆さま、
誠にありがとうございました。

次回イベント等につきましては、
決まりしだいこちらのブログや、
ツイッターにてご報告いたします。

また、新刊の通信販売のほうも、
来週あたりにはお知らせできるかと存じます。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

五野井郁夫『「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義』

友人から頂いた本のご紹介。『「デモ」とは何か―変貌する直接民主主義 (NHKブックス No.1190)』です。
彼とは大学に入学した直後からの付き合いなので、もう14年くらいになります。

政治の方面には疎いもので、あまり込み入ったことも書けないのですが、
内容は、「脱原発」の問題と絡め、日本における「デモ」のあり方について
歴史から照射するかたちで現代に目を向けたもの…といったところでしょうか。

個人としての研究スタンスの問題ともかかわるのですが、
論を立てるときに「なぜ〜」というかたちで問題設定をしてしまう人が、現在でも非常に多いように思います。
けれども、「なぜ」という問いかけが求めるのは「真相」であり「真理」であるわけで、
そんな問題設定で出てきた答えというのが本当に「真」なるものだとは思えないし、
また、答えが出てしまった瞬間、それがたとえ「真」なるものでなかったとしても、
そこで満足して思考停止してしまうように思います。

特に原発の問題に関しては、なぜ原発を作ったのか、
なぜ原発事故は起きたのか…等々のことを論じても、
そこから得られる答えというのは非常に表層的で、より大きな問題を取り逃がしてしまっています。

ですから、論を立てるときに必要なのは、問題としたいことがらがあるとき、
そこで何が起きていた/起きているのか、そこで何が問題となっているのかという思考であり、
そうすることで初めて、何をすれば問題が乗り越えられるのかが見えてくるのではないかと思うわけです。
「Why」の思考ではなく、「What」の思考ですね。

その意味でこの本は、『「デモ」とは何か』という標題を持っているのですが、
実際には(大正デモクラシーからを概説した上で)1980年代から3.11以降の社会において、
「デモ」という現象をめぐり何が起きていた/起きているのかということを、
具体的な言説や資料をもとに明らかにしようとするものです。

ですから、NHKブックスという一般向けの書籍から出ているにもかかわらず、
手続きとしては非常に研究者としての彼の真摯なあり方が出ているというか、
友人としてあえてひと言ツッコミを入れるなら、これ研究書じゃん! という。

あ、でも、序章で丸山眞男を引用していることからも分かるのですが、
このツッコミは怒られるかもしれませんね…
私としては、研究・論考はもっと現代社会とコミットしていくべきだし、
また、朝生知識人みたいに上からものを言うのではなく、
一人の人間としての地平からおこなうべきだと思っているので、このツッコミはありなのですが。

そして読んでいるうち、14年前に彼と初めて出会った直後に、
巻原発の建設反対運動について話したことを思い出しました。
そういう意味で、五野井くんの問題意識は、少しずつ変容しつつも筋が通っているように思います。

正直なところ、当時の巻町の状況を知っている身として、
3.11以降急に、本書で触れられているような問題に入ってきた方たちの言説には、
少なからず違和感を感じています。

その意味では、民主主義という観点からずっとこの問題に取り組んできた彼が書いたことに、
この本の意味があるのではないでしょうか。

乱文失礼しました。

男性視点の少女小説

セイ@様の「果てしなき空の向こうへ」(http://soranomukoue.blog50.fc2.com/)を、リンクに加えさせて頂きました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

このところ仕事のために、集英社コバルト文庫を大量に読み続けております。
ネット上などでは「ライトノベル」という扱いをされることが多いのですが、
文体や小説の作り方などを見ていると、特に90年代半ばくらいまでは完全に別物ですね。

たしかに、表紙に漫画的なイラストがあり、文庫本の版型で出ている点はラノベに見えるのかもしれませんし、
ここ数年の新しいものは、ラノベ化がかなり顕著に見られるように思います。

ただ、少女小説は明治期から、吉屋信子や尾崎翠を経て、昭和・平成に至る流れがあるわけで、
これは言ってみれば、男性の書き手が少女達に物語を供給してきた状況から、
女性達がみずからの物語を獲得していった歴史です。
その歴史性を無視して、安易にライトノベルとしてしまうのはどうかな…と。
ライトノベルは基本的に少年小説の系譜なので、やはりその辺りは区別して考えたほうがいいようにも思います。
(…こういうネタはブログではなく、論文で書かないといけませんね)

さて、そのなかで少し気になったのが、樹川さとみ『グランドマスター』(コバルト文庫、2007)です。


この小説は、「あとがき」で著者の樹川さとみさん自身が指摘しておられるように、
徹底して男性キャラクターからの視点で書かれており、ヒロインであるシアシーカ(シーカ)からの
視点で書かれた部分がありません。
この点は、ずっと少女小説を読み続けてきたなかで、かなり驚きました。

少女小説では伝統的に、主人公を少女に設定し、その視点から小説を書くのが基本となっています。
(ラノベの主人公が基本的に少年で、その視点から書かれているのと同じですね。
最近では、女性視点のラノベもそろそろ出てきていますが…まだ少し難しいかもしれません)
もちろんここには、対象読者として設定されている少女たちと同じ年代の主人公を作り、
その視点から物語を語り出すことで、読者の共感を呼ぼうという意識が見え隠れしています。

問題は、なぜ男性視点の書き方が可能になったのか、でしょうか。
なぜなら、少女小説で男性視点の物語を書くということは、おそらく、
このように「共感」を誘おうとする小説の書き方を、いったん拒否する必要があると思うからです。
実は私は、読者が作中人物に「共感」して小説を読むという発想は、少なからず疑っているのですが、
多くの編集者や作家の中では、小説には読者の「共感」が必要だという考えが根強く残っているように思います。
ですから、「共感」を得るという書き方を拒否した時点で、本にする企画が通らない可能性が高いのです。

もちろん、少女小説から外に出れば男性視点の小説など数限りなくあります。
ただ、男性視点で書かれた少女小説は、書き方としてかなりBLに近いものがあるでしょうか。
考えてみれば、BLが同人誌や書店の隅に置かれていた状況から離脱し、
より多くの読者を獲得するようになった時期と、
このように男性視点の少女小説が書かれるようになった時期とが、
少なからず重なっているような気もします。
ですから、少女小説のBL化という問題は、ある程度考えてみてもいいかもしれませんね。

ただこの場合、女性読者がどういう観点でBLを読んでいるかが問題になるので、男の私ができるかどうか…
女性読者がBLの登場人物に「共感」しながら読んでいたら、これまで書いた問題意識が崩れてしまうんですよね。
まさか、ないだろうとは思うのですが…。
実は、身の回りに腐女子の方が少ないのですが、誰かに聞くしかないかなあ…。

文学フリマ 〜上智大学紀尾井文学会OB会〜

5月6日(日)に開かれる第14回文学フリマに、
今回も上智大学紀尾井文学会OB会として参加します。

(詳細です↓)
http://bunfree.net/

ブースは2階ホールの壁際、ア―06 となります。
私はふらふらしているかと思いますので、会場にお越しの際は、
ぜひ覗いて頂けましたら幸いです。

新刊は『Polyphony』3号で、値段はこれから印刷所にもっていってから考えますが、
70ページくらいになるので、300円くらいになるかと。
私は、小説1本、ラノベについてのエッセイ「ラノベ道」を書いております。

ツイッターのほうで少し呟いたのですが、
妹がスーパー戦隊に就職しました (スマッシュ文庫)』を出した直後にもかかわらず、
ラノベ感皆無な小説を載せてしまいました…。

文体や構成、書き方がラノベのときとはまったく違うので、
ラノベ方面の私しかご存じない方は驚かれるかもしれませんが、
もしよろしければ、お手にとってご覧下さい。

この他、『Polyphony』の既刊(創刊号・2号)と、
文フリのばあいは、自分が出版にかかわったものであれば商業誌でも置くことができるので、
手元にストックしている「妹戦隊」も何部か持っていこうかと思います。

それから、当日文フリにいらっしゃることのできない方で、
同人誌をお買い求め下さる方のために、通販等も考えております。
このあたりにつきましては、後ほどまたご連絡いたしたく存じます。

それでは、よろしくお願い申し上げます。

ちなみに、『Polyphony』3号表紙(下の画像です!)は、創刊号に引き続きチョコ様に描いていただきました。
(→「ちょこっと一緒にひとやすみ」http://c2ozchocomoyoyo.blog93.fc2.com/
たいへん美麗な仕上がり…本当にありがとうございました!

3号表紙


 


プロフィール

大橋崇行

Author:大橋崇行
文学、ライトノベルなどなどについて、徒然にかいています。
プロフィールの詳細やコンタクトにつきましては、個人HP(→「泉月亭」)をご覧下さい。

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