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魁題百撰相

頂いた本の紹介。『月岡芳年 魁題百撰相』(謎解き浮世絵叢書、二玄社)です。

(↑詳細は画像をクリック)

いつも大変お世話になっている東洋大学非常勤講師の大内瑞恵さんと、
彼女のお知り合いで川崎・砂子の里資料館の小池満紀子さんのお二人が、
町田市立国際版画美術館が所蔵する明治初期に活躍した浮世絵師・月岡(大蘇)芳年の
シリーズ『魁題百撰相』に数えられる絵の1つ1つについて
解説をお書きになられております。その数65点。

当時の絵を印刷すると、顔料の色を再現するのがなかなか難しいのですが、
そこはさすがに書道系の版元さんだけあって、非常に美麗なオールカラーの図版本となっています。

浮世絵は院生になるまでほとんど目を向けていなかったおかげで
本当に素人同然なもので、たいへん勉強させて頂きました。
ですから、芳年について語るような資格もないのですが、
それを承知で、書ける範囲でご紹介。

去年あたりからやたらにプッシュされている国芳の妖怪絵などに比べると、
芳年は少しマイナーな浮世絵師になってしまいますが、
この本にまとめられている無残絵は、やはりその真骨頂だと思います。
今でいう「リョナ系」?(いろんな人から怒られそうな発言ですが)…マニアックですけどね。

もちろん、ネット上に落ちているような現代のイラストに比べれば、
無残、残虐だとはいってもかわいいものです。
ただ、『闇のファンタジー (ナイトメア叢書)』に載せた『うみねこ』論でも少し書きましたが、
こういったグロテスクなものにあえて触れたいというのは、人間が持つ欲望のひとつです。
その点、江戸文化の爛熟期だった幕末~明治初年代には、
出るべくして出てきた浮世絵師だったという気がします。

個人的に面白かったのは、ちょうど明治元年前後に化学染料が輸入されるようになって、
浮世絵の「赤」が、江戸期の紅花色から、近代的な赤色に変わるんですが、
血飛沫の描写でそれを効果的に使っているところでしょうか。

それまで朱色に近い「赤」を使っていた人たちから見れば、
新しく使えるようになった鮮烈な「赤」は、かなりインパクトがあったはず。
「これは血の色だ!」なんて思っても、無理ないよなぁ…なんてことを考えたりしました。
表紙になっている「森蘭丸」の額や腕に流れている血もその化学染料なのですが、
その意味で「冷泉 判官 隆豊」(No.5、明治元)や
「小幡 助六郎 信世」(No.46、明治元)は興味深かったです。

浮世絵に興味がおありで、こういう絵が平気な方は、
書店などで見かけたら、ぜひ覗いてみて下さい。
プロフィール

大橋崇行

Author:大橋崇行
文学、ライトノベルなどなどについて、徒然にかいています。
プロフィールの詳細やコンタクトにつきましては、個人HP(→「泉月亭」)をご覧下さい。

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