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ラノベ道 Web版 ~片山憲太郎『紅 kure-nai』~

校正終わったー。
久しぶりに商業誌に書きましたので(いちおう共著?)間もなく正式に告知できるかと思います。今しばしお待ち下さい。

さて、「ラノベ道」というタイトルをつけておりますので、たまにはラノベの話を。
片山憲太郎『紅 kure-nai』です。

illust.jpg
(集英社スーパーダッシュ文庫HPより http://dash.shueisha.co.jp/-kurenai/index.html#b01

アニメ化され、今月コミック版の7巻も発売になりましたが、どうもラノベとしてはマイナーな気が…気のせいでしょうか?
環さんいーよ! とか言っても、なかなか通じる人がいない…あ、そのセレクトがあかんのか。でも、夕乃さんいーよ! とか言ったら、なんかすげー嫌われそうだよなあ。

さて、この作品についてはすでに、『ライトノベル研究序説』で、文学の〈制度〉にしたがって読めるラノベだと評価をしました。
だから高く評価しているというわけではないのですが、ライトノベルというジャンルを考えるうえで、かなりいろいろな問題を示している作品だと思います。

まずその一つとして挙げられるが、少年漫画とライトノベルとの関係という点でしょうか。
ライトノベルは基本的に、男性読者をまずは対象として考えます。そのため、そういった読者が感情移入をして読めるように、男性主人公を置くことが多くなります。このことが、ボーイ・ミーツ・ガールの物語が多くなる理由ですし、また、少年漫画とライトノベルが接近しやすい要因ともなっています。
特に集英社スーパーダッシュ文庫は、『ジャンプ』との接続や、かつての新書版レーベル『ジャンプノベルズ』との関係もあるので、そういった傾向が強いようです。

一方で、では少年漫画を小説として書けばそれがラノベになるか…といえば、実はそれは違うんですよね。
「すべてのオタクは小説家になれる!」とか、「データベースで小説を書ける!」というのは、ラノベのハウツー本の売り文句としては分かりやすいんですが、ちょっとでも文学理論をかじったことがあれば、それは無理だとすぐに気づきます。
ここから先は技術的な話とか、小説理論の話になるので、どこかで詳しく書かないといけないかな…とも思うのですが、端的にいうと、ラノベと漫画とでは物語の仕掛け方やキャラの作り方と配置、視点の置き方などなど、かなり大きく違いがあります。
某人気ラノベのコミック版が異様なほどつまらない…という例を挙げるといいのですが、営業妨害になりそうなのでやめましょうね(すでになってる?!)。
どんなに一口に物語といっても、小説、映画、漫画、ドラマ、ゲーム…と、メディアが違えば、作り方は違うわけです。

それで、『紅 kure-nai』なんですが、これが非常に上手く少年漫画のストーリーをラノベにしています。
実は、いわゆる少年漫画の物語様式とは少し異なるところがありその点はしっかりとラノベなんですが、それでも初めて読んだときこの点には非常に驚かされました。
『ライトノベル研究序説』出版の母体になったライトノベル研究会でも、『集英社スーパーダッシュ文庫』で出る作品が、他のレーベルに較べて小説として質が非常に高いというのはたびたび話題になるんですが、その中でも、頭ひとつ抜け出た作品だと思います。

実は私、ライトノベルから離れている時期が長かったもので(大学生~院生くらい?)ライトノベルの論文を書くことになってから一気に読む量を増やしたのですが(このあたりの事情は、下の記事からリンクを張ってある「模索舎月報」にも少し書いてあります)、ライトノベルでも論文を書けるという自信を持つことができたのは、この作品のおかげですね。その意味でも、思い出深いというか、非常にありがたかったシリーズもあります。

そんなわけで、この作品についてはもう少し問題点を整理してみたいという気持ちもありますので、続きは次回「ラノベ道」で。
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大橋崇行

Author:大橋崇行
文学、ライトノベルなどなどについて、徒然にかいています。
プロフィールの詳細やコンタクトにつきましては、個人HP(→「泉月亭」)をご覧下さい。

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